2007年10月 ARCHIVES

ハワイキヌイ、ニライカナイ、リハビタンテーション

明後日からタヒチのあるフランス領ポリネシアで3日間に渡るカヌーレースに取材で同行します。島から海を渡り別の島へと3日連続で競われるこのレースの名は、ハワイキヌイ。
なぜタヒチなのに?ハワイかですが、タヒチもハワイと同じポリネシアの民族が移住した島。古のポリネシア人たちの思想では、「いつか自分たちが帰る島」をハワイキと呼んだそうです。それは、理想郷というイメージかもしれませんし、沖縄のニライカナイのような含みもあるかのようでもあります。そんな思想があって、実際にポリネシア人たちは北はハワイから東にイースター島、西にニュージーランドととてつもないほど広範囲な海の中の小さな島々へ移り、定住したのですから凄いです。
そんな自分たちの文化や伝統に誇りをもって、ハワイキヌイと名付けられたレース、本当に楽しみです。
それと同時、カヌーを漕いできたことで自分にとって価値をもってきたもののことを改めて思い返しました。
カヌーはシンプルに、何よりもシンプルに人と人が一体感をもつことの重要さ。それに応じて圧倒的な自然のエネルギーの力を借りることができたり、またはそれでもどうしようもないなかでも頑張れたりと、いったことを身体をもって体感できること。
そんな課程の中で、カヌーを漕ぐ海やその周りの土地のことを、いつも新しい何かを再発見することができる道具なんだなと思うのです。他にもそうしたものはあるにせよ、自分の場合はカヌーなわけなんです。海に囲まれた日本の津々浦々に土着して、それぞれの土地や海と人々を結びつけるものになっていったら面白いんじゃないかと。
フロンティアなる島は空間的には存在しないけど、自分たちが帰るところって自分の足下にあったりしますよね。生態系の環境や文化にそって、そこにある良さに気づくこと、知ることを最定住(リハビタンテーション)と呼んだ人がいますが、カヌーはその為の道具としてすごく最適ですよ。

今週末、日本にいたら参加したかったものが二つあります。
タイミングの良い方はぜひ、何かを発見しに足を運ばれてはいかがでしょう。

◇湘南オーシャンパドリングチャレンジ
10月28日日曜日 片瀬東浜にて開催される6人乗りアウトリガーカヌーの大会です!
詳しくは、主催の湘南アウトリガーカヌークラブにお問い合わせ下さい。

◇第6回茅ヶ崎なぎさシンポジウム「砂浜の復活と台風9号から見える事」
平成19年10月28日 午後2時開催4時終了予定
場所 茅ヶ崎市立図書館2階第一会議室
参加費 無料 定員80名(事前予約→あて先 fax0467-58-2655)
問い合わせ 090-3218-4658
[ シンポジウム内容 ]
・現在の浸食対策の状況及び台風9号被害状況と今後の計画
・茅ヶ崎海岸の浸食問題に関る市民質問
・サイフォン式土砂浚渫
・総評 神奈川県自然保護協会 
※以下の地図の中の本館に会議室はあります。
https://www.lib.chigasaki.kanagawa.jp/html/shisetsu.html

海めぐりの日々

先週末は、朝日から日没まで澄み渡った空が広がっていました。
皆様、いい時間をお過ごしでしたか?

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朝日が昇る前から北風の抜ける、冷たい砂浜をふみしめて、
恐る恐るこわばらせながらスタンドアップパドルで初めてこぎ出した人が、
リラックスした様で笑顔で水面を滑るようになったように。

13メートルのカヌーをやっとこさ運び、組み立てて漕ぎだした時には、
バラバラのタイミングだったのに、
息を合わせて、風とうねりをつかめるようになった6人のクルーのように。

海に入り、いい変化がありましたね。

僕はといえば、
ここ1週間ちょっとの間、風邪と足の打撲で調子を崩してしまいました。
が、週末にかけて多くの方とともに海で過ごしてつつ、
最高にいいエネルギーをいただいて感謝しています。

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そして、今はある南の島にきています。
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明日からカヌーをおい、島から島へとisland hopping です。

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BEACH、カヌー育みましょう

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今週、BEACHのアウトリガーカヌー、よどみのない海へと漕ぎ出ました。
金曜日は朝から昼過ぎまで、カヌーの組み立てにリギング(ロープで結わうこと)に
多くの方にお手伝いいただきました。ありがとうございます。

13mに及ぶカヌーには、毎回、組み立て等に時間をかかりますが、
「これもグループでやる、カヌーの楽しみですね!」と理解いただけて最高です。

誕生したてのこのカヌー、相応しい名前を早くつけて、皆で育んでいきましょう。
同じ型のカヌーでも、不思議なもので個々によってキャラクターをもつといわるそうです。
それから、重くて頑丈そうですが、実はとてももろくて、傷つきやすい子なんで、
やさしく接していきましょう。そうすれば、乗った人をしっかりと結びつけて、風やウネリ、
広大な海に充満するエネルギーを取り込んでくれます。

この秋から冬にかけては、基礎の基礎のことの繰り返しを、リラックスしながらゆっくりと
やっていきます。

ご参加希望の方は、以下のことを参考にして下さいね。
■格好について
・patagoniaのキャプリーンのような発汗しても快適なアンダーウエア
・薄手のジャケット
 (天候の変化や準備/片付けの時間で体を冷やすことにないよう)
・ボードショーツまたはウエットパンツ(カヌーの乗り降りの際に、膝から腿位まで水につかります)
・足元は裸足が基本ですが、寒いかなと思われる方はウエットブーツのように底がソフトなものを
 ご使用下さい。
・もちろん、ウエットスーツがあれば決して身体を冷やすことはありません。ちょっと上半身の動きが
 きつくなりますが、最近のものは柔らかいので、3mm以下のジャージできつめでなければ問題ない
 です。

■参加にあたり
・3時間ほど外にいることになりますので、くれぐれも体調の悪い方はご無理をしないで下さい。
・水、スポーツドリンクなど、各自で飲み物をお持ち下さい。
・泳げない方は、必ずその旨をお伝え下さい。

風邪が流行っていますね。僕は、不覚にも咽喉をやられてしまいました。やれやれです。
皆さまはくれぐれも、ご自愛下さい。

Maui、そしてMolokaiの日々〜湘南アウトリガー

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先週はマウイ島の西側の町、キヘイでMolokai hoeにでる
湘南アウトリガーカヌークラブのチーム合宿をしていました。

海辺にカヌーあること、
それは一年中ライフガードがいるのと同じように、
海を開かれたものにする上で大切なことだと思います。

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夏のサウススゥエルが届くと、レギュラーの
高速チューブが現れるポイントのあるMalaea。
その町には海上安全を祈念するMalaea神社があり、
Molokaiへ発つ前日に皆でお参りにいきました。

この鳥居、ちょっと形状が変わっていますが、昔の写真を頼りに
僕らのコーチのLarryさんが心をこめて復元したものです。

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Molokaiの小さな空港の前で、記念撮影です。
ちなみに、皆が乗っている車は下にあるもの・・・

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一昨年、昨年と毎年お借りしているトラック。
今年は迷彩柄になっていました!
この島には、お似合いでした。

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土煙を浴びながら至ったHale O Lono Harbourには、
100艇を超えるカヌーがずらり。

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皆、チーム一丸となって、カヌーの調整をします。

昨年は、レースの翌日にオアフからカウアイまでスタンドアップで横断した
Dave Kalamaの姿も見えます。

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Bongaは、伝統的なKoa(木製)カヌーのスティアーズマン(舵取り)を務めます。

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アウトリガーの浮きの部分(Ama)と橋の部分(Iako)を、
木綿ロープでリギング(結わうこと)します。

ゆるまぬようにと、一端一端、気を入れて絞めていきます。
これもまた一人ではできることでなく、
チームとカヌーをつなぐ大事な意味をもってきます。

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島の人口も少なく、静かな島ですが、このレースの時は1200人程の人がやってきてます。

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カヌーの艇数だけ、結わえ方や紋様もあります。
形ではなく、チーム全員でしっかりと結わえることが大事です。

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ホクレアのナビゲーター、BruceやNainoaの姿もありました。

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温和で優しい笑顔を浮かべる、この方がNappy Napaoleon、
御年66歳、今回のMolokaiHoeはこの方にとって50回目のレースでした。
なんとこの50年間、ずっとこの海峡を漕ぎ続けているのです!!
今回は、5人の息子と3人の孫が同じチームでしたが、
なんとも素晴らしい人生を歩まれている方です。