2007.11.27
山や海を誰が守るのか
丘陵をかきわけるように下山川が注ぎ、
黄金色の太陽と霊峰富士を望む。
太平洋の島人マオリは、山から海へと水脈が連なる扇状地を
アフプアアと呼んで、もっとも大切にした地形であったようだ。
まさに、アフプアアといってもいいであろう、葉山の海際に遊歩道が
作られるかもしれないという。
打鯖と呼ばれた浜には、魚が打ちあがることはなくなるのだ。
これまた、聞くところによるとだが、緑深い山々が中国人に買われているという。
「国破在山河(国破れて山河在り)」
であれば、まだいい。
いつしか、国も破れて、愛でる美しかった山や海もなくなってしまって
いるという事態にもなりかねやしない。
様々なものが連綿とつながりあい、一体をなす世界を、
断片化し、散り散りに。断絶したものは、生態系か、社会か、未来か。
私たちはまた、ふみしめる今いる土地について、食している命について、
そのつながりを学びなおさなくてはいけないと思う。
風土学、はたまた、バイオリージョナル(生態地域学)みたいなことを、
それぞれの地域で学べるようにすることはできないだろうか。
つながりや多様性を知ること。多様さを超えた一体であること。
カヌーで沖にでると、いつだった、遠くに見える緑がなぜ愛おしく、
思えるかわかるような気がする。
そこに水があるから、そこに生命の息吹があるからだ。
そんな根源的なものが喚起される。
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