100年の時を超えて

 先週末は、朝から夕方まで2艇のOC6(6人乗りアウトリガーカヌー)が,
ほぼフル稼働状態でした。本場ポリネシアに近い陽気になる、この季節は
カヌーを楽しむにはやはり最高です。

 さて、いよいよ今週末は江ノ島でのレース。
BEACH HAYAMAから2チームが始めて出場します。
ひとつは、凍りつくような砂の上でカヌーのセッティングをして
ひと冬を越したパドラー(カヌーの漕ぎ手)達からなる、
BEACH Uchisaba。
もうひとチームが、経験者やスタッフからなるBEACH BOYS HAYAMA。
実はこのチームには、親子のクルーが含まれています。
Dukeさん、そして長男のKennyです。

 サーフィンを通じて海で様々な経験を積んできたKennyには、
夏休みの期間中BEACH HAYAMAのビーチボーイスタッフとして活躍を
期待しています。その人が得意なこと、志向する方向で、十分社会の中で
役立つものとして確立させていける可能性があることを若い人々に、
少しでも知ってもらえたらと思うのです。まだまだ誕生して
1年にも満たないクラブですが、できることから若い世代にチャンスを
広げていくこともまたクラブがより良い形で持続する為には
必要不可欠ではないでしょうか。

 ビーチカルチャーの本場ハワイイには、土地に根ざしたクラブとして
創立して今年で100年を迎えたメンバー制クラブがあります。
1908年にワイキキで誕生したOutrigger Canoe Clubで、
ハワイイのウォータースポーツを通じた社交の場として発展してきました。
このクラブには、ワイキキのビーチボーイであり、サーフィンを世界中に
広めた親善大使であり、4度もオリンピックの水泳競技に出場した
ウオーターマンDuke Kahanamoku もいました。
 サーフィンやアウトリガーカヌー、パドルボード等のウォータースポーツが
柱ですが、意外にもビーチバレーボールを誕生させてところとしても知られています。
途中、ワイキキからダイヤモンドヘッドのビーチフロントへと移転しましたが、
人とのつながり、自然とのつながりを受け継ぐ場として多く人に愛されてきたわけです。
 ところで面白いことに、ここでは、世代によって会費に差異があります。
その理由は、年齢を重ね社会的な経験を積んだ人ほど財政面を支えるかたちで貢献し、
若年層はレースやクラブ空くティビティーの活躍で先輩たちを盛り上げるといった
世代による役割や分担がなされているのです。
 もちろん、社会状況や経緯が異なるところで、同じように現在の私たちの状況に
当てはめることなどは想像してもいません。
 ただ、この先、BEACHが持続成長する中で「社会の中で果たすべき役割」と、
「次世代へ繋いでいくこと」は、同じ意味を持つものとして捉えた方が良いのでしょう。
 社会、環境と人間とのつながりが究極の課題ともいえる現在、
BEACH HAYAMAのような存在はますます大事なものになるはずです。
多くの人に大切にされ、ハワイイのOutrigger Canoe Clubのように世代を超え、
100年以上続くクラブの礎を築いていきます。