2008年11月 ARCHIVES

中心感覚

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先日のサバニの練習。風も弱くスムースな水面。
だったけど・・・一度、揺れれ安定感を失うと、どぶどぶ水が入りす。

何度も沈。沈。沈。をしながら。

それでも、風を得て帆をふくらましながら、風上へと走るスピード感。

エイクで漕ぎながら、滑る水面のやわらかさが、心地いい。

すごく重心が保つのが難しいのだが、琉球から九州の海をつい一昔前の島人たちは、
行き来していたわけだ。

荒れた海の中でもサバニをコントロールするには、重心の中心感覚を敏感に反応できる
身体感覚が大切なのだろう。

失われたサバニの操船術のように、僕らが失っていた中心感覚がなかっただろうか?

楽しみの生態系を広げよう!

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海、山を問わず駆け巡るパタゴニアの辻井さん。
雄大な雪山と人とのかかわりを鋭敏に伝える映像iconシリーズを制作する関口さん。

二人のスライドショーを拝見して、あらためてこの季節ならではの楽しみを想った。

大陸から冷たい湿った北よりの風が吹き付ける、
この季節特有の天候になると、
日本海側や東北以北では沢山のパウダーがつもる。

葉山の辺りでは、日本アルプスにぶつかった風がまわりこみ、
西よりの風が吹き、風とともに波があがる。
そんな日が二日ほどあった先週。

目の前の風波が、パウダーを降らせた風に起因するものだと、感じるだけで、
世界は広がり、大きなエネルギーとのつながりを想う。

サーフィンからスノーサーフィン
ノルディックウォーキングからスノーシュー
等、アクティビティーのつながりだけでなく、旬のものを楽しむ心をもって。

日々の天候のコンディション、山や海といったフィールド、選択するアクティビティー。

自分が楽しむことのできる生態系を広げていこう、
どこまでも!

blog始まりました/世界のアウトリガーカヌー情報をお届けします


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我がBEACH BOYSの大学生3人衆が、素晴らしいblogをはじめました!

自分が得たものを他の人にも伝えること、シェアすることがあたりまえの
彼らのオープンマインドと向上心がうかがえます。
カヌーにまつわる、道具、テクニックからカヌーがコミュニティーや社会で、
どう生かされているかがわかるトピックスも多くて面白いです。

これまでカヌーにまつわる海外の情報といえば、レースへの参加がほとんどだっただけに、
ここで分かりやすく紹介されている情報は、カヌーを通じて世界を広がりを十分に
感じさせてくれます。これは、ブックマークですよ!!

世界のアウトリガーカヌー情報をお届けします】


つつまれて心地よし

今日も冬の特有の天気。冷たい北寄りの季節風が吹いていますが、
空気はクリアで、はるか大島、伊豆半島、そして雪を冠った富士に丹沢の山並みと、
すべてが澄み渡っています。
オフショア(陸から沖へと吹く風)が続くこの頃は、淀んだ水やゴミも沖へと流されて
しまうこともあり、とてもクリアです。

そんな海の色を見ると、ブルーと光が交錯する水中で身を包まれたときの心地良さが
思い出されます。

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奄美の海はよかったなあ。
穏やかに、どこまでも広がる海に、身体をまかせる愉楽。

生命をつなぐために


お世話になっていた方から、健康である幸せ、
そして、尊い生命と向き合うことの大切さ、
を切実に感じさせてくれる連絡をもらいました。

2名の方をご紹介します。

高校1年生のめいちゃんが、これから生きていく為には、
補助人工心臓をつけてアメリカへ渡航し、心臓移植をうけるしかないのだそうです。
15歳未満の臓器提供が法的に禁止されていますが、16歳であるめいちゃんの場合も、
体が小さいために国内でドナーをみつけることは不可能なのです。
とても高額なこの手術のために、広く支援を求めています。

めいちゃんを救う会


もうひとりが川口さん。私の以前の職場で、取引担当者でもあった方ですが、
現在、肝臓の難病である原発性硬化性胆管炎という病気と闘っています。
彼に迫りよる死。そこを乗り越えるには、アメリカ渡航によるドナーからの
臓器移植しかないそうです。

川口秀夫君を支援する会

もしかしたらいつぞやか、自分自身にもつきつけられないかもしれない、
そんな可能性は誰にでもあるものです。

数多く臓器移植を必要としている方がいますが、誰かが、できることを、できる時に、
行うことでつながるのが生命ですよね。

「日本じゃないみたい」っていうけれど

旅に出て、
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目の前に広がった美しい光景に、
口をついて出すコトバ。

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「日本じゃないみたい。。」

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ネガティブな意味ではなく。
雄大な自然の広がりを賛美し、感嘆してのこと・・・だが、
「美しく雄大な自然」=「日本じゃない」??
そんな先入観をいつからか刷り込まれてしまってはいなだろうか?

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豊穣な海と深い山々からの幸に恵まれた土地。
四季折々、その土地とのかかわりから生まれた多様な伝統文化。
亜寒帯から亜熱帯まで連なる多様性に満ちた島々が、ニッポン。

その豊かな土地にいることを、僕らは忘れていないだろうか。

食物自給率は、先進国では最低40%・・・
自殺者は年間3万人を越す。

そんなこと、全てがつながっていないだろうか。


奄美への旅で、海へ、その島の魅力へと誘ってくれた緑くんの97歳のお祖父さん。
まさに海に生きた、海人だ。
「最近、目が見えにくくなって、眼科へいったら老眼が始まったと」
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エスケープ

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お散歩SUP(スタンドアップパドルボード)、というサイトからの写真です!

山が色づき、鍋が恋しくなり、すみ渡った空気と光が清々しい、
この季節も悪くない。

でも、温かくて、身軽に海で遊べる南の島・・・やっぱり最高です。

寒い時に、暖かなところへの逃避ほど、至福の時はないものです。。

とにもかくにも、DukeさんからのSUPでの新しい旅の提案、面白そうです!!

http://osanposup.com/

今日、本を手に前兆を感じたひと時

Twenty years from now you will be more disappointed by the things
you didn't do than by the ones you did.
So throw off the bowlines away from the safe harbor.
Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover.
 -Mark Twain

 今から20年後、君はやったことよりもやらなかったことに失望する。
 だから、もやい綱を解き放ち、安全な港から船を出し、
 貿易風をつかまえセイルしよう。
 探検し、夢を見、発見せよ!
  -マーク・トゥエイン

この文章が、巻頭に記された本が、今日届いたばかりの
Laird HamiltonのForce of Nature/ Mind, Body, soul, and, of course, Surfingだった。

様々な波乗りのスタイルで、とてつもないビッグウエーブに挑む、レアードの
超人的な身体、精神の強靭さの秘密とその為のトレーニングついて書かれたものだ。
この本の存在を知らせてくれた推薦してくれたのがレアード本人とも親交のある
マウイ在住のwaterwoman、岡崎友子さん(そして、きっと邦訳版を出してくれるはず!)
本からは壮絶さや臨場感が伝わる素晴らしい写真が並ぶ。
海の中で自らを研ぎすませてきた人の顔つき、身体が、すごく恰好良い。
と、話しをともにしていたのが、横山泰介さん、そして、白谷敏夫さん。

白谷さんは、泰介さんの写真集surfersをはじめ、Bueno Booksから出版されている
サーフアート本のアートディレクター。他にも、僕の大好きな書物である
アルケミストなど一般書籍でも素晴らしい本を多くてがけている。
アルケミストの物語の主人公のサンチアゴという少年には、思いっきり感情移入をし、
いくたもの困難を乗り越え、成長する姿に勇気をもらいボロボロ涙を滴らせた。
故郷を離れ旅で大きな変化に直面する前に現われるのが前兆だった。

海や山はもちろんだが、何か大きな変化が現れてくる前には必ずというほど前兆がある。
それに気づくようになるには、自分で失敗や困難を経験していくなかで、臭覚を
研ぎすますように磨くしかない。つながりや危険、あるいは展開を見るヒントかも
しれない。いずれにせよ、セットアップされた舞台の上や予定調和ですすむ環境に
いては身に付かないもの。「前兆」とはそういうものではないだろうか。

求めようが、求めまいが、常世に変化がやむことはない。だが自分のおかれた現実が勝手に
夢のように素晴らしいものへ変わることはない。現実にあるものを心に受け入れて、
そこでおこる大小様々な変化に、自分がどう対処していくか、だけではないだろうか。

自分ひとりだけの経験、失敗、旅・・・ではなく、他の人の経験、
それは地域、時代、そして思惑を越えて、伝えてくれるのが、本や写真の面白みだ。
写真であれ文章であれ、またドキュメンタリーであれ空想であれ、
世界を広げる思索に導き、そして、人が生み出したもの故に、
結局は現実へとつなげることができるものだ。

タイガー・エスペリが、屋久島の巨木の切り株にたつ写真を前に、
自分とタイガーのつながりを想った。

2000年7月に6人乗りアウトリガーカヌー(OC6)が、葉山大浜へ2艇ハワイから
降り立った。日本には初めてお目見えしたものだった。
日の出とともに、タイガーのチャントの後、葉山の海へと浮かべたカヌーに乗り、
カバを飲み交わした進水式。今も自分とカヌーがつながっている忘れもしない時間の
きっかけをつくってくれた人。

写真では、大きなタイガーが、なんとも小さくみえる。だが、人間ひとりの生は、
大いなる自然の上にあることが感じられて、安らかな気持ちになる。

天気予報に反して、青空が広がり、爽やかな陽光の差し込むテラス。
「これ、スティーブ・ペズマンの本の中で俺にとってのベストだよ」という白谷さん。
広げている写真集はRon Church CA/HI 1960-65。
「こんな本を並べて、買いにくるようなスペースにもなるよね。
その奥で、ゆっくり本でもつくって」
また何やら楽しいことのはじまる前兆だろうか(笑)

泰介さん個展/レセプションパーティー、素晴らしかったです 

屋久島の森にたつタイガー・エスペリ。

葉山で調達した古船の底板のフレーム。

ジャック・マイヨールが、マジックペンで書き込んだメッセージ。

空気と潮にさらされて錆び付いた釘でモノクロの写真と
大正時代の梁がめぐる高い天井がひとつに。

「伝えたいものがあって、それを伝えてくれるだろう思って、
(写真を)僕が撮らせてもらったのだと思う」

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タイガーさん、ジャックの遺した言葉。
伝えたかったこと・・・

泰介さんの作品集surfers、プロフィール、そして、掲載雑誌を並べた、
コーナーには、彼らのメッセージブックもあります。

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奥にのぞくのは、泰介さんのトレードマーク、赤いサーフボード。
その中の一枚でpatagoniaのボンザー。

タイガーさんの吹く、ノーズフルートやウクレレの音色のひびく空間で、
思いを広げてみて下さい。

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