vol.2 永井 巧さん<3>5つの質問

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BEACH HAYAMAがお休みの月曜日の午後、
天気がよくて、ぽかぽかと暖かいテラスで、
永井君から話を聞かせてもらった。

20代からの紆余曲折。どこにいて、何をして、どう思ったか。
話はどんどん進み、やがて日は暮れて、
インタビューノートをとるにも、文字がよく見えなくなっていた。
暗くなったテラスに座った私は、永井君の話に導かれて、
ソマリア、ハワイ、タヒチ、そして日本へと旅をして戻ってきたような気分に。

ソマリアでの体験は、その土地に足を踏み入れ、
さまざまなことを目の当たりにした人ならではの、
複雑な感情が入り交じっていた。
平和な日本の若者には、そこでの状況はあまりにも現実と離れていて、
タイムトリップしたような、カルチャーショックを受けたに違いない。

いいとか、悪いとかではおさまらない世の中の仕組みを、
輪郭でとらえ、必死に理解しようとした永井君。
一般的な社会人としては、ちょっと軌道から外れてしまったような時期。
でも遠回りをしたようでいて、一瞬一瞬を自分の気持ちに正直に決断したことで、
本来乗りたかった軌道を見つけることができた。

永井君のプロフィールは、BEACH HAYAMA 永井 巧BLOG

今の自分を使って、伝えること、サポートすること、楽しむこと。
海にかかわることに全力で向かう永井くんへの、5つの質問。


質問1 あなたにとって海とは?

「いつも大きなエネルギーやパワーを感じられるところ、
       そして世界の広がりが感じられるところ」

質問2 今の自分につながった、大きなきっかけとなった出来事は?

「ます最初は、高校時代の臨海学校」
(千葉の勝浦で、一週間毎日遠泳をさせられた。海の中で浮力や波による自分の変化、
成長も含めて何かを感じ取りやすい場所だと思った。「自由になったら、海のことをやるぜ!」と
決意するきっかけに。それがある意味拡大解釈されて、大学ではライフセービングを。)

「次が、ソマリアに行ったこと」
(世界を見てショックを受けて、しばらく働くことを拒否してマイナス面もあったけれど、
やっぱりよかった。自分の境界線をどこか越えたような気がする。)

「ライフスタイルの基盤を海の近くに定めたこと」
(今の自分につながるきっかけ。ライフワークを意識するベースができた)

質問3 あなたにとって、Happyなときとは?

「自分を包み込むものと、調和できている状態」 
(たとえば、力が抜けて、波に乗れてて、波と自分のサーフィンが合っている状態。
アウトリガーカヌーで6人の息があってどんどん滑っていく瞬間や、
気の合った仲間がこたつを囲んで、美味しい食事をして、そのしあわせをみんなが感じているとき、
海であろうと、どこであっても・・・・・)

質問4 好きな本は?

『人間の土地』 サンテグ・ジュペリ著
(郵便を届ける飛行士だった著者の実体験がベースに。極限状態での友情や人間らしい生き方、
命をかけて届けられる一枚の手紙の話など、タヒチでホームシックになったとき、
日本から2週間かけて届く手紙を待ちわびた心に強く響いた。)

『アルケミスト』 パウロ・コエーりョ著
(少年がしあわせに、よりよい人生を求めて成長していくストーリーが面白い。
生きていく中で、常に決断をしなくてはならないときがある、
何に向かって、何を軸に決断すればいいのか、考えさせてくれる一冊)

『忘れられた日本人』 宮本常一著
(戦前から日本全国を歩き、明治期ころからの民間伝承を自分の目、耳、足を使い
聞いて回った著者の記録。高度成長期で消えてしまった、日本人のふつうの暮らしが
興味深い。自分もまた、この人のやったようなことをやってみたい)


質問5 次の世代に伝えたいメッセージとは?

「自分への見返りでなくて、人から人へとつないでいくことがやっぱり大切。
だから、後につづく次世代を大切にということを 次世代の人にも伝えたいな?」

(僕も今になって後に生きる人たちのことをわずかばかりに想えるようになったけど、
そこで思い出したがの学生時代の頃のこと。 先輩から食事や酒をご馳走になっては、
「俺に返すのではなくて、後輩に同じようにしてやれって」と言われていた。 
大きく見ても、その考え方やイメージってとても大切なんだと改めて想う。)