鎌倉から京都まで、古都を巡る??

すっかり、秋ですね。
下山口の丘の中腹にある築40年の小さな日本家屋は、
隙間風が気になる季節になりました。
すでに、先週末から、コタツ導入です。(早い?)

先週末も、台風の影響で波が上がるという情報があり、
土曜日は、早朝から海に向かったものの、
大きな波はどこ?

でも、やっぱりしぶとく、七里ガ浜で、波乗りしました。
行灯くらげ、ウヨウヨで、夏はあんまり刺されなかったのに、
ウェットスーツから出ている、手のところにがっちり刺されました。
雨も降っていて・・・・、かなり寒くって、
大学時代、実は体育会の水上スキー部だったのですが、
その頃の合宿を、なんとなーく思い出さずにはいられない感じでした。
こんな大人になって・・・・、なんでこんな雨の日に・・・・と、思いつつ。

でも、沖から列をなしてやってくるきれいな波のうねりを見ていると、
海に入らずにはいられない。
こんな雨の日は、冬が近づいてきているのを実感します。

日曜日の朝、まだ暗いうちに、ガリガリ、ガリガリ、という音で、
目が覚めたのですが。なんと、近所の猫が、曇り硝子越しに、なにやら
うちの網戸を揺らしているのです。
時間は、5時20分。夜明けは6時ちょっと前で、
家を揺らすような昨夜の風と雨はすっかりやみ、
空は明るみ、澄んだブルーに変わり始めていました。
ふと、見上げると満月からほんの少し欠けた月がぽっかり。
「これは、何かのおぼしめし。海に行けというサインだ」と、
勝手に思い込み。布団から抜け出して由比ガ浜に向かいました。
「今日は、これから京都に行かねばなのに・・・」と思い、
海に入っていたのは、ほんの30分程度。
夜と朝の出合う海、お月さまを西に、昇ってくる太陽を東に・・・・波にたくさん乗れなくったって、
海の上に浮かびながら、こんな景色を見たら、ほんと、やめられないなぁ。

さて、早朝の鎌倉から、京都へ。
今週のMISSIONは、「ウイスキーを深く知る」。

サントリーの「山崎」というウイスキーをご存知ですか?
私の中では、ものすごい偏見ですが、ウイスキーはお父さんのもの、
って、決めていたところもあり、また、食事というより、食後に語りながら飲むもの・・・
と、思い込んでいました。
けれど、その考えがすっかり変わるような、素敵な「山崎」の工場見学でした。
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サントリー山崎蒸留所 http://suntory.jp/FACTORY/


京都駅から南西へ、車で約30分。天王山のふもとの緑豊かな土地に、「山崎」の工場はありました。
この土地は、昔から水が美味しい地域で有名で、千利休もその水を使ってお茶を点てたとのこと。

お酒に限らず、「美味しい」と舌が感じるものには、水がとても重要な素材になります。

偶然にも、先週末にビール工場見学をしてきたばっかりなので、
お酒ができるプロセスに、ちょっとだけ詳しくなりました。

<モルトウイスキーができるまで>=モルトウイスキーってなに??

●まずは、原料の二条大麦を発芽、乾燥させて、麦芽を作ります。
ちなみに、モルトとは、麦芽という意味。
シングルモルトウイスキーとは、同一蒸留所で作られた、麦芽を使ったウイスキー。

大麦のでんぷん質そのままでは、アルコールにはならず、
麦芽に変わる段階で糖分となって初めて、酵素による変化が起こり、
アルコールになるそう。
麦芽を温水とともに仕込み槽に入れ、麦汁を作ります。
この状態では、ビールになるのか、焼酎になるのか、蒸留酒になるのか・・・
工程はほとんど同じかもしれません。

●麦汁に酵母を加え、発酵させたものを、
蒸留釜で2度蒸留することで「ニューポット」というウイスキーのもとが出来上がります。
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ウイスキーの工程で、重要なポイントとなるのは「香り」。
発酵をはじめ、蒸留、貯蔵のプロセスでの、
さまざまな香りが、ウイスキーの大きな魅力となる奥行きのある香りの、
エッセンスになるようです。
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昔、ヨーヨーマが、チェロを弾いていった「山崎」のコマーシャル、覚えていますか。
撮影はこの貯蔵庫でされたそうです。
薄暗くてひんやりとした貯蔵庫に何十年も寝かされているオーク樽の香り、
「天使の分け前」と呼ばれる、樽から少しずつ空気中に蒸発していくウイスキーの香り。
麦芽から生まれた無色透明のニューポットは、
この場所でじっくりと熟成されることで、琥珀色のモルト原酒に育っていくのです。
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●ていねいなプロセスで作られてきたモルト原酒を、上質なウイスキーに仕上げるのは、
なんといっても、熟練したブレンダーの経験と感覚=センス。

1日200種以上をテイスティングし、
「山崎」の特徴を変えないよう、また、よりよいものとなるよう「調合」しているのだそう。

見学を終えて
今回の見学で、先生として教えてくださったのは、
以前はブランデーのブレンダーとして活躍していた方。
セミナーの後に、少しお話する時間がありました。
「適度に空腹感のある午前10時がテイスティングの感度が高いんです。
または、だいたい、お昼をはさんで午後1時くらいにしてましたね。
舌の感覚が変わらないように、昼は毎日同じものを食べ続けるんですよ」

社員の中で、どんな方がブレンダーになられるのですか?
「今は、ブレンダーは7名います。
ウイスキー作りに最低でも10年携わった経験が条件です。
50歳過ぎていても、中堅といわれますから・・・・」

経験と感性を持ち合わせたブレンダーの方々が、
知恵を持寄って「山崎」の味を守り続ける。

今回のウイスキー工場見学、味はもちろん、ここに働く方々の熱意とプライドに感激しました。

香りを深く味わってみて、ウイスキーの魅力にはまりそう。
森を背負うようにして建てられた工場をゆっくりと巡りつつ、
麦芽の香りの変化を感じ、ウイスキーとはどんなものかを知っていくにつれて、
愛着というのか、ゆっくりと熟成された時間を含め、ウイスキーというものが
なんだか愛おしく感じてきました。

いよいよ、テイスティングでは、ウディな香りの強いモルト原酒、シェリーの香りのある原酒など、
「山崎」の原酒の香りを味わいつつ、「山崎12年」をテイスティング。
同じく、サントリーの「白州」との比較が、またわかりやすかった。スモーキーでドライな味と香りは、
まさに子供のころに味わった、いわゆるウイスキーの印象が蘇る。
一方、「山崎」は、不思議な感じ。
ウイスキーのようであって、私の中での新感覚。もっとまろやかで豊か。
まだ、未開発だったお酒に対する感覚の扉が、ふわっと開いた感じがします。
ウイスキー、もっと楽しんでみよう。
そう思える体験でした。

意外、お料理に合うんです。
セミナーでは、お料理に合わせたテイスティングもあり、
ウッディな中にほんのりバニラが香る、奥行きのある味わいのウイスキー「山崎」が、
意外にも、味噌や醤油、甘く辛く煮た野菜などにぴったりということを実感。
「やまねこ食堂」のお料理と一緒に、ぜひお試しいただければと思います。
お料理には、ソーダ割りが合いますね。

と、セミナーが終わるころには、すっかり、いい気分になっていました。
そうそう、ウイスキーは二日酔いになりにくい、とセミナーで聞いたのですが、
あんなにお昼から飲んだのに、次の朝、すっきりでした。

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夕方から、お店があるので、月曜の朝、ちょろっと祇園を歩いて、
すぐに、東京に戻ってきました。


comments

Kenさん、ウィスキー派のコメント、嬉しいです。
意外や意外、日本の家庭料理と合うのですよね。
とくに、山崎は、まろやかでいいような・・・・。
ビール、ワイン、焼酎も、もちろんいいけれど、おもしろいなぁって、思っていただければと思います。

  • sae
  • 2007年11月13日 01:46

私もウィスキーっておいしいと思います。中々飲む機会がないからかなー。あんまりウィスキーって飲まれないですよね。
体にいいし美味しいし・・・。私にとっては最高の飲みものです。ウィスキーのソーダ割を飲みながらきんぴらごぼうと大根の葉の炒め物→最高ですよ。やまねこ食堂に行ってもウィスキーに合う料理!楽しみにしています。

  • KEN
  • 2007年11月11日 21:54

KeN 1 さん、夏からご無沙汰してます。元気ですか?ウイスキー、ほんと奥が深くって、おもしろかったです。そうですね、ちゃんぽんとかは、どちらにしても悪酔いのもとかもしれませんね。ウイスキーも飲みすぎには注意だと思います。でも、新しい楽しみ方を知るって面白いです。
mariaさん。行ってきましたよぉ。ていねいな仕事が大好きなので、ウイスキー作り、感激しちゃいました。ぜひ、チャンスがあったら、「山崎」の味、試してみてください。
ピッコロさん。きっとあの方と思いつつ・・・。ありがとうございました。また、ぜひ、お時間ができましたら、いらしてください。「山崎」のソーダ割り、ぜひ、次回お試しください。あんな店なので、おひとりでも気軽にどうぞ。

  • sae
  • 2007年11月04日 22:29

こんにちわ。
先日は、ご馳走様でした。
ブレンダーって本当にすごい!ですよね。鼻は鍛えられるものらしいです。
次回は、山崎のソーダ割との相性のいいお料理をお願いしますね。

お!行きましたね、ウイスキーの旅^^

  • maria
  • 2007年11月03日 12:40

葉山在住、YASUKOの弟です。ご無沙汰しております。

ウィスキーが料理に合うっていうのはすごく意外ですね。チョコとかナッツをつまみながら飲むイメージしかありませんでした。
二日酔いになりにくいっていうのも意外。今までいつも飲んだ次の日は頭ガンガンいってから。ビールや他の酒とちゃんぽんしなければ大丈夫なのかな?

工場を見学して勉強した後に飲んでみる酒は美味そうですね。いつかやってみよう。

  • KeN-∞1
  • 2007年11月03日 09:15

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