富士山を眺め暮らしてきた85歳

先々週の週末、下山口の小さな山の中腹に借りている家の
そのまた上に住んでいる85歳の大家さんが訪ねてきて、
「畳が古くなってきたから、来週中に換えますから」と。

富士山を遠くに望む、この山のこっち斜面の土地の地主である大家さん、
この家の隣から、広がる畑での仕事と
貸している数件の家のまわりの木々の手入れなど、
いつお会いしても、85歳とは思えないくらい元気に忙しそう。
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「このへんは、みーんな、田んぼだったんだよ。
けど、政府が米を作るなっていうから、なくなっちゃったけどね。
今は外国から米入れてるっていうんだから、まいっちゃうよなぁ」
その目には、変わり続けたこの付近の風景が鮮やかに蘇っているようです。

風景は変わっても、大家さんの暮らしは、大きくは変わっていない。
いちにち、いちにちを、丁寧に、きちんと重ね続けている。
この土地は水が豊かなので、大家さんは今も生活のほとんどは、
その湧き水を使うといいます。お風呂も薪をたいて入っているのだとか。

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家の窓からは、遠くに江ノ島が見えます。
富士山まできれいに見えるようにという大家さんのはからいで、
窓の外に並ぶ防風松は、上のほうが切られてる。

昔気質、というのだろう。
貸している家に住む人たちへの心遣いも、
まっとうであり、あたたかくて、ほんとうにありがたいです。

築40年以上という家は、こうして温かい心で手入れされているから、
古いのだけれど居心地がとってもいいです。
古い家に手を入れて素敵に住むのもいいけれど、
大家さんの見守ってきた家のまま、どこか懐かしい古めかしさを楽しんでいます。
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窓の外に緑、まさにツリーハウス感覚。
リスが家の雨どいをかじるので、鳴き声を真似て威嚇します。

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昭和のヴィンテージ家具の店で手に入れた、お気に入りの椅子。

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柱に「立春大吉」という文字が。

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ほかの柱には、こんな文字。大家さんに意味を聞くのを忘れてしまった。
どなたか、この言葉の意味、知っていますか?

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畳をはがした居間。
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職人の方が、手際よく運びこみ、床にはめていきます。
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畳がきれいになって、作業終了。
ありがとうございました。

BEACHスタッフのマリアが、「ドリフターズの家」と呼ぶ我が家。
確かに、昭和の香りがプンプンして、不思議な感覚になる場所です。

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「立春大吉」にちなんで。
「やまねこ食堂」からお知らせがあります。
2月4日立春の早朝、絞りたての日本酒を栃木県の蔵元に入手しにいきます。
旧暦では、一年のはじまりにあたる立春、新しい春の幸福を祈願して、
神社のお祓いをうけて、やまねこ食堂に持ち帰ってきます。
その様子も、またリポートしますね。

詳しい内容は、「やまねこNEWS」で・・・
ホームページがバージョンアップしましたので、
お時間のあるときに見てください。
http://yamane-ko.com


comments

Yさん 元気な年配の方の若い人に向けての心の余裕は、ほんとうに素敵ですよね。見習いたい、こんなふうに年を重ねたいと思います。柱の意味、ありがとうございます。

  • sae
  • 2008年01月26日 00:39

「鎮防小燭」:たとえ小さなともし火(火種)でも鎮火する。といった意味合いのようですよ。

  • Y
  • 2008年01月24日 11:57

僕の大家さんも80歳代です。戦時中は横須賀の工場まで片道2時間くらいかけて毎日「歩いて」通ったそうです!
近くを車で走っていると「歩いた方が体にいいよ」と良く言われます。
とてもお元気な世代ですよね。このような世代の方々の話を聞くのが大好きです。

  • Y
  • 2008年01月24日 11:48

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