風の音を聴いて

この二週間以上、ずっと、心に溜めておいた思いがあります。

春のぬくもりが、桜の満開を連れてくる数日前の満月の夜。
BEACH HAYAMAのクラブハウスで、忘れられないライブがありました。

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アコースティックギターの奏でる素朴で優しいメロディが、
梁のある木の天井に響き、
そこにいる人、ひとりひとりの心に響き、
あたたかい思いとなって、空間を満たしました。

自然の風景を、音で描く。
そんなすごい技を、さりげなくこなすKAZZさんというアーティストに、
心底、惹かれてしまいました。

あまりに感動して、
普段なら、誰にでも遠慮なく話しかける私が、
恥ずかしくて、照れてしまって、「ありがとうございました」としか言えなかった。

ライブの間、ずっと目を閉じて、曲を聴いていると、
スイッチを押したように、ビジョンが浮かび流れていく、
「こもれび」「花」「大地」「風」・・・シンプルな曲の名前。

”ちらちらと光の落ちる森を、少し足早に通り過ぎて行く、
 ふっと視界が開けて、花が咲く草原に。
 髪をなでる風が、強くなり、弱くなり、流れていき。
 土のイメージ。赤みのある土が力強く歩けと前に広がる・・・”

 ひととおり、トリップしたら、森戸海岸の凪いだ海。
 あしもとに、さざ波がゆるく打ち寄せてきていました。

「海辺に座り、目を閉じて風を感じたことがありますか?」
「土の上を裸足で歩くと、どんな感じですか?」
「森の中で空を見上げると、お日様の光はどんなふうに降ってきますか?」

KAZZさんの音楽には、その感覚を思い出させてくれる言葉があります。
自然の中にいなくても、自然を感じさせてくれる不思議な力。

満開の桜を見て、
「この桜が風に舞う様子を、KAZZさんはどんなふうに弾くのかな?」など思っています。

また、ぜひ、BEACHでのライブを楽しみにしています。