与論サバニ船

沖縄の南に位置する「エンジェルフィッシュ」の形をした小さな島、与論島に20年くらい前に私の母が家を建てた。
今では、そこは私の「古里」。
チャンスさえあれば与論の「古里」に帰る。

コバルトブルーの珊瑚礁に面した平屋の家はここ最近になって潮風によって老朽化しはじめた。あちらこちらサビが出たり、木材が腐ったりと、色々大変。
そこで暮らしている父が毎日家の修理に奮闘中。

庭には、サバニ船が置いてある。
我が家に来た三代目のサバニ船。
やはり、家同様、船も使っていないと老朽化してしまう。
人間だって、「使われなく」なり、自分を磨きながら管理しないと、どんどん見た目老けていきますよね。

島の数多くあるビーチには、今でも長年持ち主に見放され寂しそうに真っ白い無人の砂浜で眠るサバニを発見することがある。
そんなサバニを、持ち主を探し出し、私たちが引き取りたいと交渉し、島の人の手を借りて庭に持って来てもらった。
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サバニをある程度修復して、テーブルとして使えるよう手を入れ、バーベキューやパーティーをする時には料理を船の上に盛りつけたりして、大活躍する。
砂浜で老朽化していくよりは、庭でまた新たな役目を果たすサバニ船。
この子も雨風で無惨な姿になるまで庭の「コンバセーションピース」として飾っておく。

夢は、beachのスタッフや会員さまとで、いつか、このサバニを再び与論の海に浮かべ、みんなでパドルアウトすること。
眩い太陽の下、ガラスのような海面を滑るように、美しい島をこのサバニで一周できたら、なんて素敵だろう...

マリアより